郷土の味を商品化「インスタント酢海苔」
企業名: 株式会社宮嶋水産

宮嶋水産は昭和初期に創業して以来、海苔の養殖業を綿々と営んできた。
80年にも及ぶ海苔養殖一筋の歴史の中で、本年4月、自社で養殖・収穫した海苔の加工品販売を本格的に開始するため、株式会社宮嶋水産を設立するに至った。
自社を株式会社化して、新しいステージに立とうとする宮嶋義則社長。その背景にあったものとは…


■愛媛の海苔養殖事情

愛媛県の海苔養殖の歴史は古く、天保12(1841)年、当市の禎瑞地区に始まったとされている。現在、県内で海苔の養殖が行われているのは、ひうち灘沿岸と宇和島市の岩松川河口のみで、海苔養殖業は西条市を代表する伝統産業の一つに数えられる。
しかし、県内の平成21年度の海苔養殖生産量は6千トン弱、全国シェアは1・7パーセントと非常に低く、その数値は年々減少、平成3年からの18年間で生産量は半減している。
生産量の減少に伴う養殖業者の収入減に危機感を覚えたことが、宮嶋社長をして海苔養殖だけでなく、それを加工した独自商品の開発と販売に、大きく踏み出すことを決意させたそのものであった。

■郷土の味「酢海苔」の商品化

海苔の養殖が盛んな西条には、収穫されたばかりの生海苔を三杯酢に浸して食べる「酢海苔」という冬の郷土料理が存在する。
この「酢海苔」には新鮮な生海苔が不可欠であるが、その鮮度維持が難しいことから、これまで他地域で流通することはほとんどなかった。収穫時期にその産地においてのみ食べることができる「酢海苔」は、特別な料理なのである。
これに着目した宮嶋社長は、水を注ぐだけでいつでもどこでも簡単に食べることのできる「インスタント酢海苔」を考案し、現在商品化に向けた取り組みを進めている。


写真1:西条沖に広がっていた海苔の養殖網(昭和47年頃)
写真2:宮嶋社長と開発中の「酢海苔」