大消費地で認められた味とデザイン
企業名: 橋農園

現在、市内福成寺でキウイフルーツを栽培する橋農園の橋賢一氏。サラリーマンとして会社勤めをしていた橋氏を農業の道に進ませたのは、あるキウイとの衝撃的な出会いであった。

みかんどころとして全国に名をはせる愛媛県。同様にキウイフルーツの生産も盛んで、日本一の出荷量を誇っている。その主流は果肉が緑色の「ヘイワード」という種類だが、橋氏が栽培しているのは鮮やかな赤色と黄緑色のコントラストが美しい品種「レインボーレッド」。やや小ぶりな果実ではあるものの、糖度18度以上と非常に甘く、程よいバランスで酸味と調和している。
これまでのキウイのイメージを覆すその甘味に衝撃を受けるとともにビジネスチャンスを感じた橋氏は、脱サラしての就農を決意。そしてついに2006年、栽培開始にこぎつけた。

橋氏のキウイ栽培に対するこだわりは強く、魚を主原料とした有機肥料しか使用していない。また、花が咲いたその日のうちにスポイトを使って一つ一つ丁寧に受粉させ、さらに摘果を徹底することで、この品種としては驚きの大玉に仕上げている。


■販売戦略

レインボーレッドの収穫期は10月上旬。この種は完熟までの期間が短いため、市場に広く流通するのは同月内に限られている。しかし、橋農園のキウイが市場に出始めるのは11月上旬から。ここに橋氏の販売戦略があった。
10月上旬に収穫したキウイは、一度、農園所有の業務用冷蔵庫に貯蔵。温度設定に注意を払いながら冷蔵保存し収穫後の追熟を抑制することで、取引先の注文に応じた出荷を行っている。また11月に入れば他産地のキウイの供給が終了するため、安定した価格での取り引きも可能となった。

■新たな付加価値

このような橋氏の労力や時間を惜しまない栽培と販売戦略により、付加価値を高められたキウイは「レインボーキウイ」と名付けられ、県内外の百貨店での贈答用をはじめ、有名料理店や洋菓子店などでも取り扱われ、いずれも高い評価を得るに至っている。

この「レインボーキウイ」にさらなる付加価値を加えたのが、サイクスの三浦房子産業技術支援員がデザインした商品パッケージだ。
以前は、透明のプラスチック容器をパッケージに使用していたが、橋氏からの依頼を受けた三浦支援員は色鮮やかな「虹」をイメージした高級感あるものを作成。この新パッケージによる大阪の有名百貨店との商談では、それまでに取り引き実績がないにも関わらず、商品を一目見た仕入れ担当者は即座に試食販売会の開催を提案。去る11月下旬の5日間、橋農園の「レインボーキウイ」がその食品売り場の一角に並び、口の肥えた浪速の消費者のにぎわいを呼んだ。

またこの商品パッケージには「障がい者と健常者をつなぐ架け橋に」との思いも込められており、その組立作業は道前育成園入所の方によって行われている。
パッケージのデザインを通じて商品の付加価値を向上させたサイクスの支援は、農家と百貨店をつなぐ架け橋となり、農業者の販路拡大・所得向上をサポートしている。


写真1:キウイ栽培に手間を惜しまない橋農園の橋賢一さん
写真2:旧パッケージ
写真3:サイクスの支援員がデザインした高級感が漂う新パッケージ