「ものづくり」は「ひとづくり」から
企業名: 有限会社タカヨシ工業所

 有限会社タカヨシ工業所は、会長の曽我部誉男(そがべたかお)氏とご子息で社長の曽我部善生(そがべよしき)氏が平成5年4月に創業した。社名の「タカヨシ」は、会長と社長の名前「タカ男」と「ヨシ生」に由来している。
 建設機械や農業機械などの油圧関連部品の製造・加工を得意とし、精密な加工が求められる特殊フランジ(配管継手の一種)やコネクターを、高品質・高精度で仕上げる技術を有している。従業員13名の企業ではあるが、自社内に切削加工部門の他に溶接部門を設け、多品種少量生産から大量生産まで、顧客の幅広い注文に短納期で対応している。
 また、大手工作機械メーカーと専属契約を結び、工作機械の据え付けからメンテナンス・作業指導を行うなど、ものづくりを支援する体制も確立している。

■熟練の技を次世代へ
 曽我部誉男会長は御年86歳。14歳から旋盤一筋72年、現役の技術者だ。現在も作業場に立ち続け、熟練の技を必要とする精密加工部品の最終仕上げなどを担当している。
 その旋盤技術は「匠の技」と称され、東予高校や新居浜工業高校で技術指導を行うほか、西条市と新居浜工業高等専門学校が実施した熟練技能者の技を可視化する動作解析事業で被写体として参画するなど、次世代のものづくりを担う人材育成に積極的に取り組んできた。去る2月に発表された「第4回ものづくり日本大賞」ではその功績が認められ、青少年支援部門で四国経済産業局長賞を受賞した。

■社内請負制の導入
 タカヨシ工業所では「社内請負制」を導入している。同社が従業員に業務を発注し、それを受けた従業員は工場内の機械を借り受けて作業を行い、製品の出来高によって報酬を受け取るという仕組みだ。「これは社員教育の一環。作業報酬からは機械や電気の使用料が差し引かれる。従業員はおのずと、不良品を出さないよう効率性を意識するようになる。独立心も強くなり、いいものを作りたい、腕を上げたいと思うようになる。それがいいものづくりにつながる」と曽我部善生社長は語る。
 タカヨシ工業所が作り出す小径・複雑形状の油圧関連部品は、1台が数百万円から数千万円する建設機械や農業機械、高所作業車などに用いられる。個々の部品は大きくないが、その部品の不具合が多大な損失を招き、また時には人命にかかわる事故を引き起こす可能性がある。
 同社の企業理念「自分が作った品物がどういった使われ方をするのか」、「全体的なものの見方ができれば不具合はなくなる」という言葉には、「小さい部品がなければ大きい機械は動かない。ものづくりに誇りと責任を持ってほしい」という思いが込められている。


写真1:同社の技術で生み出される油圧関連部品
写真2:「ものづくり大賞」の表彰状を手に…
写真3:動作解析事業で匠の技を次世代に伝えるため協力する曽我部誉男会長